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雪月野原日記

2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常

08/12

Tue

2008

不治の病とは

本を読んでいて一つどうしてもぶちまけたくなったので書いてみます。
以下続きよりは、医療者としても個人としても大丈夫か、オイオイ…というような病気に対する考えを書いております。
基本は不治の病なんかくそくらえ(表現が下品でスマン)という趣旨です。
それでも読んでみようという方は、続きをポチッとな。

不治の病とは聞こえも悪いが、中身も悪い。
世間的には悲劇の対象。
これってどうよ?

ひところ話題になった世界の中心で愛を叫ぶ。
主人公の恋人は白血病。
不治の病じゃないのよ、白血病は。
治りにくい病気ではあるけど、不治ではない。
ことさら悲劇的に書かれるけど、ありとあらゆる病気にいえること。
確かに夏目雅子のような象徴的悲劇もあるかもしれない。
私も何人も治った患者さんと見送った患者さんがいます。
でも今はそれよりも確実に治療成績が上がっているのです。

治りにくい病気。
寛解はするけど、治ったわけではない病気というのは実は山ほどあります。
白血病だととりわけなんとなく悲劇的で美しい感じがする?
ところがどっこい、糖尿病も高血圧も不治の病だったりするわけよ。
主人公が糖尿病では悲劇のドラマにはならない?
そりゃ美しくないかも。それが世間というものだ。
でもよく考えてください。
糖尿病はよくはなるけど完治は難しいんです。
Ⅰ型糖尿病というのは先天的に糖を下げるインシュリンホルモンが出ない病気で、一生インシュリン注射を打たねばなりません。
それも発覚するのは比較的小さい頃に。
後天的になる方もいますが。
合併症も多くて、放置すれば将来的に寿命が短くなるのは必死。
しかも自覚症状があまり出ないので、倒れたときには進んでいることも。
Ⅱ型の主に肥満などからくるタイプも油断すれば同じです。
高血圧は、体重を落とせば降圧剤が必要なくなる方もいます。
でも、だいたいコントロールしていくことが必要。
これは不治の病じゃない?いいえ、不治です。治らないんですから。
高血圧の悲劇の主人公…。どう頑張ってもおやじくさい…。イメージとはそんなもんですな。
腎臓病。
これもコントロールが必要。運動、食事、薬と幼少時から頑張っている子もいます。
時には透析などの週に3日、何時間もかかる治療が必要。
膠原病などの自己免疫性疾患。
どれもこれも一生涯コントロールを必要とするものもあります。
それも今すぐ死ぬわけじゃない。
それでも時には検査も辛いし、薬のコントロールも凄く大変です。

ことさらドラマや映画は泣かせるために強調しすぎる部分があります。
でもそれを実際の患者さんたちは目にして考えるのです。
医師に説明はされていても、そういう悲劇的な結末ばかり強調されたら、自分もいずれそうなってしまうのではないかと。
もちろん緩やかに死に向かうものだってありましょう。
人間の医療技術は万全じゃありません。
不老不死も無理です。
そうでなくてもある日突然交通事故で死ぬかもしれません。
だから、不治なんてくそくらえ!なんです。
治療法はないかもしれない。
それでも一日一日確実に生きていく人がいます。

医療現場で、時には告知せねばなりません。
告知イコール死ではないのです。
それを理解してもらうのに時間をかけます。
組織からグループⅤのがん細胞が出たからといって即死ぬわけではありません。
そこから治療が始まるのです。
高血圧の薬を飲んだら一生飲まなけりゃならないから飲まないと言われても、飲まないと悪くなる一方で確実に寿命が縮むのとどちらがいいですか。
もちろんよくすることはできます。
飲まないで済ませるよう規則正しい生活と適度な食事と適正な体重を維持すればいいだけです。
それができないから薬を飲んでもらうわけです。
タバコ屋さんには申し訳ないけれども、40年吸って、レントゲン上明らかに肺の細胞が溶けているのがわかってから反省しても遅いんです。
元には戻りません。
酸素を引きずって歩くのが嫌なら、今すぐタバコをやめましょう。

…実は全部身内に言いたい。

拍手[1回]

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Comment

無題

  • かかし
  • 2008-08-13 00:53
  • edit
こんにちは。拝読してコメントを書かずにはいられませんでした。
私はいわゆる「不治の病」です。病名を書くのは憚られますが(今後の生存率などを想像されると辛い……)、「難病疾患」に指定されてます。しかし給付金は出ない方です。残念(汗)。
病気発覚から6年ほど経ちましたが、生きてますね。子どもも産めました。きっとラッキーなんだと思います。

私はドラマに限らず、ドキュメンタリーなどでも悲劇的に扱うのを見るのが大嫌いです。表面上はあくまでも「病気と前向きに闘う○○さん」みたいに持ち上げていますが、結局他人事なんですよね。人が病気で弱っていくところ、死んでしまうところをわざわざ取り上げる意味ってなんだろう、と思います。そんなに特別なことなんだろうか、と思います。病気や死ってもっと日常的なこと、決して他人事じゃないんだと思うのです。わざわざメディアで見なくたって良いじゃないと思います。

すみません、興奮して、自分でも何を書いているのか判らなくなりました。

ソウさんのお言葉、まるっと同意します。
特に
>ある日突然交通事故で死ぬかもしれません。
は私も常日頃考えていました。

お恥ずかしいです

  • ソウ 〔管理人〕
  • 2008-08-14 00:47
前にお話を聞いていたので、少しはかかしさまのことも考えていました。
自分の思うところだけをぶちまけてしまいましたが、最近そういうドキュメンタリーが多いなぁと思っておりました。多分24時間テレビの時にはもっとやるんじゃないかと。
あまりにテレビで悲劇を強調されると辛いというか。
その頑張ってる姿は多分視聴者及び自分も勇気付けられたりするのですが、本人はそこで終わりじゃなくて今後もずっと闘っていかなきゃいけない。
私は医療者でもあるので、その背景と病気の諸々を知る立場です。
だから、なんだかどんどんいたたまれなくなって、いろいろ考えてしまって。
明日またやろうって考えるのだけど、ある日突然というのは誰にでも起こることだから、とりあえず今日一所懸命生きたからいいかなとか。
うーん、私もうまく言えませんが、病気じゃない私にとっても死というのは随分身近にあるんじゃないかなと思うのです。
もちろん80のばあちゃんになっても生きてるかもしれないけども。
そんなこと本当にわからないしね。
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ソウ
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女性
職業:
看護師
自己紹介:
マイダーリン(ちょっとおバカなだんな)、5歳違いの息子二人(長男坊・次男坊と称す)との4人家族の働く母。
プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。

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