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雪月野原日記

2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常

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読書話1月~2月

誕生日前日、ぶっ倒れた日にはマイダーリンの両親がケーキを持ってきてくださり、誕生日当日には実両親が電話をかけてきてくれました。友人からはバースデーカードが届き、メールもちょこちょこ届きました。ありがたいコメントもいただき、本当に幸せ者です。皆さまありがとうございました。
でも、うちの両親から「で、あんたいくつになったんだっけ?めまい?またぁ?更年期障害じゃないのぉ?」というお言葉をいただきました。
いくらなんでもまだ早いぞっ…!(多分)
同じようにめまいで最近訪れる患者さんが多いから、きっと気候のせいだよ!と自律神経失調症気味の私は強固に主張するのでありました。
ああ、他人の痛みを知るとはこのことね(ちょっとチガウ

というたわごとはさておき、読書話を読んでやってもいいという方は、続きをポチッとな。

「クロスファイア/上・下」宮部みゆき
主人公はパイロキネシス。そういう言葉を初めて知りましたが、念力放火能力者、のことらしいです。つまり、念力によって火を生み出すことのできる者。
正直イメージは、着火できるライター程度のもの。
ところが主人公のそれは、一気に力を放出すれば家一軒などすぐに燃え尽きてしまうほど高温で局所的。ムチのようになぎ倒すこともできるほど強力。
つまり、コントロールが常に必要。
正義とは何か、罪を罰するのに法律の不備さを痛感しました。
ただ忘れてならないのは、罪を決めるのも人間なら、法律を作ったのも人間。そして同じく罪を犯すのも人間だということ。

「いのちのパレード」恩田陸
オムニバスですが、内容は摩訶不思議な話ばかり。
正直意味が全く分からない話もありました。
ミュージカルの話はそれでも結構くすっと笑えました。
ミュージカルって、嫌いな人もいるでしょうが、きっとその大半は「なんでここで歌い踊るんだ…?」というそこそこに入る踊りと歌だったりしませんか?
ミュージカルはそういうもんなのですが、それを理解して面白いと感じるまでには私も時間がかかりました。何せ祖母などが宝塚歌劇のファンでしたし。
で、その小説の中では、ミュージカルの中の登場人物も苦労しているという話です。
もう年なのに、会社で部下を注意するのにも歌い踊らなければならない課長だったり(もちろん終わった後は息が切れて仕事にならない)、スポットの当たる主人公は、常に次のパートのために心の準備が必要で、恋をするにも大変(何せ出会い方も決められてる)。
同僚は、仕事が忙しくても机の上に上って忙しいと愚痴をこぼすためだけに歌い踊らなければいけなかったり、注意をしたりからかったりするためだけに群舞として主人公の周りに出現しなければならない(でもそれが終わればやっと帰宅できる)。
もちろん通りを歩いている人もその場にいて音楽が鳴り出したら、群舞の一人として加わらなければいけない。
主人公は帰宅してもその日の彼女との出会いを切々と歌い上げなければ、どんなに眠くても寝るわけにはいかない。
という話なんですが、書いていても見事にわけわかりませんよね(笑)。
まあ、そういう変わった話がたくさんでした。

「震度0」横山秀夫
阪神大震災の起こった朝、遠く離れたN県で一人の警務課長が失踪。
ここで阪神大震災が出てくるものの、地震自体は全く関係ないです。失踪が関係するのかと思いきや、ただ地震の情報が全く伝わってこないという苛立ちと失踪事件を重ね合わせるためだけの持ち出しのようです。
キャリア幹部とノンキャリアの地元組の駆け引きと昇進への執着、失踪事件に関連すると思われる過去の事件との絡みなどが書かれています。
警察内部の詳しい関係がわからないので、最初は流し読み、失踪事件の真相が解き明かされる段階でようやく面白いと思えました。

「負け犬の遠吠え」酒井順子
かつてベストセラーになってましたね。
この人の本の中の論理でいけば、私は一応勝ち組に入るようです。
つまり、30歳過ぎ、結婚もせず、子どももいない女を負け犬と称しているわけですが、この論理の中では離婚した子どものいない人も含まれます。
これは「ハイハイ、私は負け犬でございますよ」ということをわざわざ言うことによって話が進んでいきます。私は結構いいと思うんですけどね、この人の言語感覚。
だから読んでいくと、気分的にとても勝ち組には思えない。
私の周りには独身の友人たちもいます。
自分が子どもに振り回されている間はどうやっても彼女たちのペースにはついていけない。独身の彼女たちのところへ子ども連れて行くのなんて絶対に避けたい(迷惑極まりない)。
気を使って子どもの話をしないのではなく、友人といるときくらい子どもの話なんかしたくないというのが本音。
結婚すれば安心とか子どもを生めとお勧めするという感覚が私にはわかりませんが、作者はそういう子育て教の主婦の話も書いています。
基本的に一生独身だろうが、結婚して子どもがいなかろうが、どうでもいいことだと思うんですけどね。
むしろ子どもを持った友人のほうが離れつつあります。子どもがいるのでお互いに気軽にあちこち行けないからでしょう。
うんうんとうなずいて読むか、読んだ後落ち込むか、本を投げ捨てて怒るか。
勝ち負けという刺激的な言葉を使っていますが、つまりはそう言うことによって勝ち負けなんてくだらないと思えるように書いてあると私は思っておりますが。

「紅一点論 - アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」斎藤美奈子
この方の本は初めてだったので、どれから読んでみようかな~と思って検索。
「妊娠小説」は何か聞いたことあったなと思いつつ、つい気になってこれを先に借りてみました。
いろいろなアニメから紅一点に関する論述なのですが、ガンダムに宇宙戦艦ヤマトにセーラームーンまでいろいろと考察している内容に吹き出しました。
結構真面目にちゃんと考察されているんですが、なんとも言えない毒舌振りが素敵。
紅一点とは何ぞやという話から、紅一点とはいえ、そのときのアニメの社会情勢から理想の女像、セクハラまで出てきて、思わずなるほどと思えてしまう。
アニメ好きな方は結構面白く読めると思うんですけどね。

「ジーン・ワルツ」海堂尊
産婦人科女医が主役で、人工授精のエキスパート。
生殖とは何か、どこまでが人工的に許されて、どこからが神の領域なのか。日本では法律的に許されない代理出産とは。
これを読んで数日後、人工授精で他人の受精卵を子宮内に戻したとかで中絶してしまったとかいうニュースを見ました。
現代の医療技術に昔の法律が追いつかない部分はたくさんあります。
代理出産もその一つで、日本では産んだ人が母となるのです。卵の持ち主は全く考慮されずに。もちろん裁判をしてもダメ。
この小説の中では、出産に対するいろいろな問題がでてきますが、産婦人科医の減少と産科閉院問題に対する作者の思いを感じました。
ハコモノの少子化対策なんて、本当にくそくらえという感じです。

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プロフィール

HN:
ソウ
性別:
女性
職業:
看護師
自己紹介:
マイダーリン(ちょっとおバカなだんな)、5歳違いの息子二人(長男坊・次男坊と称す)との4人家族の働く母。
プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。

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