雪月野原日記
2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常
読書話7月から8月
- 2009/08/20 (Thu)
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残すところあと10日。
夏休みの宿題は自由研究を残すのみ。
金のかからない(←ここがポイント)超マニアックな自由研究です。ほとんど私の作。いいんだろうか、こんなんで、と思わないでもない。
でもちゃんと写真もつけると、それなりに研究っぽくなるからいいんです。
所詮小学三年生の普通の子どもの研究です。別に賞を狙っているわけでもなく、宿題としての消化なんで。
ちなみに私は最後の1週間で山ほどの宿題を泣きながら片付けるタイプでした…ハハハ…。
では、今月の読書話です。
お暇な方は続きをポチッとな。
「東京島」桐野夏生
クルーザーで世界旅行をして遭難した夫婦、南東の島から本島に帰ろうとして遭難した若者たち、途中で見捨てられた中国系難民といった人々が無人島に。
その中での唯一の女が46歳。年齢的に超微妙。
この力関係によるサバイバルが一応見所なのですが、どうも女のずるさ、描写のえげつなさが目に付いて、途中でこの女~~と投げ出したくなりました。えてして女というものはこういうものかもしれないのですが、女としての魅力が消えるか否か、微妙なこの年齢がポイントです。
後にフィリピン系の女たちも流れ着くのですが、皆の最終目標はもちろん島の脱出なので、その過程も書かれています。
無人島にいてもアウトローな若者たち、たくましい中国系難民たち、ただのあほなおばちゃん(一応ヒロイン)、陽気なフィリピン女たち、脱出できるのは誰か、それは読んでからのお楽しみです。
後味も超微妙です…。
「きのうの世界」恩田陸
最初はただ淡々と失踪して殺されたとされる男の謎を解くため、街を歩き回る情景を読まされます。その人物はその時々で替わっていき、その街の謎、殺されたとされる男の事情もわかっていきます。
街の秘密はなるほどと思わせられましたが、街全体に漂うミステリー感はちょっとしりきれとんぼな感じでした。超常現象なのかどうかすらも判明しないまま、物語は終わりを告げるからです。
私の物語の好み(全てがすっきりと解決する話)からすると、恩田陸の話はこういうものも多いのですが、読んだ過程は決してつまらないわけではないです。その街の風景は目に浮かぶようですしね。
「名前探しの放課後/上・下」辻村深月
主人公の高校生が、同級生が自殺した事実を電話で知らされたところから、2ヶ月前の記憶に戻されます。
これはタイムスリップなのかどうかわからないまま、主人公を含め友人と協力者たちは、その自殺したとされる同級生を救うために過ごすのです。
果たして自殺は阻止できるのか。そしてその同級生とは誰なのか。
ひたすら同級生を探す上巻に比べ、救おうと奮闘する様子が下巻では繰り広げられます。
最後、主人公たちが仕掛けた一大芝居に気づくことになるのですが、なんとなくわかっていたものの、読み応えはあります。
そして、出てくる登場人物はまたもや他の辻村作品とつながっていることに気づかされます。
そして(だからこそ?)辻村作品でこれを最初に読んでは絶対にダメです!ネタがわかりませんから。古いのから順に読むことをお勧めします。
「聖女の救済」東野圭吾
草薙刑事、聖女にはまる、という感じの話でしたね。ただし、あのヒロインは本当に聖女なのか、意見が分かれると思うのですが、一途に夫を思う気持ち、夫の不倫相手に子を生むように言うあたりが聖女、なんでしょうか。
今回はそういうわけで内海刑事と湯川準教授が草薙刑事をそっちのけにトリック解明に力を注ぎます。
最初から犯人はわかっているのですが、二人はなかなかそのトリックを見つけられません。あの湯川準教授でさえ完全犯罪と言わしめます。
しかし、全て読んだとき、あのトリック自体は本当に有効なのか。まあ、読み物、と言ってしまえば十分すぎるほどでしょう。鑑識は本当に調べなかったのか、というより調べないほうがおかしいんじゃないか、とか。いや、微量だと検出されないからいいのか、とかいろいろ。
さすがにこのシリーズは面白いです。
途中福山雅治の表記を見たとき、顔がにんまりしたのは私だけではないでしょう。
「私の男」桜庭一樹
この『私の男』、というのはぶっちゃけ主人公の父のことをさしているのですが、父と娘の話をひたすら最後まで読まされます。
多分正常な普通の親子関係を持っている方だと非常に気持ち悪く感じると思います。私も正直途中でうえっとなったのが本音です。でも読んじゃいましたけど。
結局どうしようもない父と娘の関係を書きたかったのかよくわかりませんが、それでもどうなんだろうと言いつつ読んでしまうのが直木賞なのかなと思いました。
娘の婚約者も不思議な人です。あのまま娘とうまくいくのか、それもよくわからないくらいに。
そんな中、流氷に乗って流されていくじいさんの姿が妙に物悲しかったです。
「花冠の竜の姫君/3巻」中山星香
はや3巻目です。
1、2巻のときに謎だった本の謎、花冠の世界の謎が少しずつ明かされます。
相変わらずパワフルなリズに、そのまま受け継いだ娘のエディ。
エスターよりも(現実世界の)俗世まみれの息子のハリー。
さすがにリズには負けるけれども、結構無鉄砲なリリフロラ。
果たしてハリーとの仲は進展するのか。
リリフロラにエスターが家の中にいる生活がうらやましいと言われたときのハリーの反応が笑えます。よく似ていてもやっぱり違いますもんね。
最後はまたもや厄介ごとに巻き込まれて、いざ4巻へ。
やはり花冠の世界は好きだ~。やはり憧れの王子様の原点です。
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プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。
この記事へのコメント
読まれたんですね!
読書日記の時しかにコメントを残さないような感じで申し訳ございません。
『聖女の救済』読まれたんですね。はい、私もにんまりした一人です(笑)。
読んだのがもう1年近く前になるので、記憶もあやふやになってきているのですが、このヒロインは聖女の演技をしていたのかなという感じがしました。こういう女性が一番怖い気がします。
もっとも夫は人間として最低でしたが。
ただ、目的のためとはいえ、よくそんな生活を続けられたなあと背筋が寒くなった覚えはあります。普通だったら精神的にまいってしまうのでは…と思いました。
辻村深月さんの感想を読みながら「この本面白そう!」と思っていたのですが、「これを最初に読んでは絶対ダメ」というソウさんのお言葉に、思わず笑ってしまいました。なるほど、では最初の作品を探してみます。
恩田陸さんは『黄昏の百合の骨』しか読んだことがないのですが(『夜のピクニック』すら読んでいない…)、私もソウさん同様、すっきりと解決する話が好きです^^
すみません、いつも勝手なことをコメントしてしまって。
また次回の読書のお話、楽しみにしています。
あ、もしこのコメントがネタばれになってしまっているなら…お手数ですが削除していただけますようお願い申し上げます…。
いつもありがとうございます
『聖女の救済』の夫、私はダメです(笑)。結婚の時点でありえない、ですから。浮気するのもダメだけど、子どもがいようがいなかろうが、仲良く暮らしていくのが理想なので。って、今すでに子どもがいる時点で話が成り立ってない私でありますが。
辻村深月さんの本は、少しミステリーが入っていて面白いです。この本を一番に読んでもいいのですが(…どうだろ、むしろその方がいいのかなぁ)、他の本と関連してくるので。私も少しだけ本が前後したのですが、これはやはり出版順に読むべきだ、と思いましたもの。これ以上は止めておきます。
恩田陸さんで唯一凄く好きだったのが『夜のピクニック』なんです。これも淡々と進む話なんですが、なんとなくゆったりとして好きでした。この方も本が多すぎて、まだ手をつけていないものがたくさんあります。
本の選び方が本当に適当なので、どういう趣味で選んだんだという感じですが、皆がすでに読んでいるようなベストセラー本はやはり制覇したいです(笑)。何かお勧めがありましたら教えて下さい。