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雪月野原日記

2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常

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2016年9月の読書話

先日、長男坊は普通に部活の用意だけ持って家を出ていきました。
…教科書類の入ったリュックを置いて。
バカか、バカか、本当にバカか!
電話をすると(通じて良かった)、呑気に「はい~?」と。
「リュック背負ってないでしょ!教科書!」
そう叫ぶように言うと、「…ああ!背負ってない!」と今更ながら気づいたようでした。仕方がないので途中のコンビニで待ち合わせして届けましたが、どんなときでも部活の用意だけは忘れないのな。
それ以来、弁当水筒リュックをつい小学生のように確認するようになりました。

続きから、9月に読んだ本の記録です。
興味のある方だけどうぞ。




souの本棚 - 2016年09月 (8作品)
悲嘆の門(上)
悲嘆の門(上)
宮部みゆき
読了日:09月01日


予備知識なしで読み始めたので、最初はミステリーだと思っていました。でも始まりが宮部さんにしてはやけに淡々と進むと思っていたら、ガーゴイルの辺りであれ?これファンタジーの方かと気付き、ようやく『英雄の書』の類だと知ったのでした。
正直『英雄の書』を読んだ時は理解しきれなくて、なんとなく読み流してしまったので、若干の不安もありつつ下巻を読もうと思います。
今回はネットパトロールを主とする会社でバイトする男子大学生・孝太郎。
世間では連続殺人事件かと思われるシリアルキラーが話題となっており、それとは別にSNSでのいじめ問題やホームレスの失踪事件、屋上の置物に関する都市伝説とあれこれ問題が。
そのうち同じバイトをしていた先輩がホームレス事件を追ううちに失踪してしまったため、その先輩を捜す過程で屋上の置物伝説に遭遇。
いつの間にかファンタジーの世界に入らされており、そのファンタジーが嘘ではない証拠に別の人物が孝太郎のもとに。それが『英雄の書』では幼かったあの妹が、今回の話では美少女高校生になっていて、何か別の役割を担っていることが判明。
ところが、あまり世界観に馴染めなかった『英雄の書』のせいか、あの世界がどんな感じだったのかもうすっかりさっぱり忘れているのでした。

悲嘆の門(下)
悲嘆の門(下)
宮部みゆき
読了日:09月04日


上巻最後で世界観をようやく把握しましたが、下巻はそれ踏まえて心して読んだせいかすんなりと読めました。
その眼でファンタジーの世界を垣間見た割に現実的で冷静な元刑事という相棒と現実以外の世界にどっぷり浸かってしまう主人公。
連続殺人と思われた事件は次々と解決していき、その辺りのオチの付け方は非常に宮部さんらしいと思いました。
一つ救われるのは、やはり真菜ちゃんの存在。温かで大切な存在があるというのは、大事なことなのだと思います。
罪悪は人それぞれ。追及することも見逃すことも触れることも罪であり業であるならば、この世には罪と業だらけ。
口から出る言葉は書いた文と違って録音でもしなければ残らない、というのが現実世界ですが、言霊という言葉の力を信じている身としては、害悪な言葉を書いたり話したりするものじゃないなと読み終わって思いました。
時には汚い言葉も口にしてしまうけれど、出した言葉には責任を持つ、ということですかね。

消滅 - VANISHING POINT
消滅 - VANISHING POINT
恩田陸
読了日:09月11日


いやーびっくり。
最初から最後まで空港から全く出ないで話が終わるのに、飽きもせず読み続けられるところ。半分ほど読んでも誰も空港から出られないことに最初はどうなるの?と。
出てくる面々は、それぞれ他の地域から日本に帰国して入国しようとした人たち、男女合わせて11人。ところが、それぞれ入管で拘束され、告げられた事実はテロリストの疑い。誰もが怪しくないのに、誰かがテロリストだという。
空港に台風が迫ってくる中、空港は閉鎖され、高潮警報まで出る中、原因不明の通信障害に謎の致死性肺炎の疑いも出てきたり、精巧なアンドロイドにちょっとした超能力を持った子ども?とSFチックな設定も。
それぞれが疑心暗鬼になりながら一晩を過ごす羽目になるのです。
最後のオチは、ああこんなもんだろうなと思いはしましたが、面白かったです。
本の厚さに臆せず読んでみればするする読めます。ただ、私、男性陣が誰が誰だかわからなくなって何度も確認する羽目になりました。とにかく先が読みたくて人物を後回しにしたせいです。それくらい先が気になる話だったということで。

西の善き魔女〈4〉 世界のかなたの森 (中公文庫)


いよいよ南へ。
ユーシスを守るため、と言いつつ、ユーシスに追い返されなように別動隊で移動するフィリエル。そのお供になんとイグレインが。イグレインすらも振り回しながら、一路南へ。
途中でアデイルとレアンドラの母であるオーガスタ王女のいる城に。そこで飼育されていたのは竜退治には必要なユニコーン。その描写はかなりド派手な毛色で、想像が難しいほど。
アデイルたちが手に入れるはずだったかもしれないユニコーンの子どもをもらい受け、いよいよ竜に対面。
草食竜に肉食竜。飛ぶ西洋の竜ではなく、ジュラシックワールドの世界のような恐竜でした。
そんな古典的な世界の果てには壁があり、壁を越えると瞬間移動?といった感じでやけに先進的に切り替わる。
いったいこの世界はどうなってるの。
ルーンともあっさり再会してお互いに離れたくないといった感じで次巻へ。
前巻からすっかりフィリエルが苦手になったので、世界の謎と女王選抜の行方だけが気になります。

花冠の竜の国encoreー花の都の不思議な一日ー 3 (プリンセスコミックス)


今回の巻通して不穏な動きは多々あるものの、全体的にはリズとエスターの甘々な日常。そして、ムーウッド伯爵の入退院話。
不穏な動きはあの逃げてる一行だとわかっていても、今はまだ追い詰めることもできずに各国様子見状態。
途中ギリアドン蛇の大量コマが気持ち悪い(笑)。さらに切り離してまだ動いてる脚を拾って逃げ込めと指示するエスター。生き残るためならリズにも容赦ないですが、ちゃんとつかむリズがえらいよ。少女漫画にあるまじき図柄でした。
最近エスターの目が丸すぎて安定してないなとか思いますが、子どもが出来て穏やかになったと思っておきましょうか。

さくら
さくら
西加奈子
読了日:09月20日


面白くなくはないけれど、登場人物が好きになれず。
主人公は割と普通。その妹、ありえない。その振る舞いから、どれだけ美人と書かれていても想像できずに困りました。兄もヒーローっぽく書かれているけど、かなり曲者っぽいです。
幸せいっぱいだった家族が、兄の事故をきっかけにしてどんどん変わっていくその過程はわからないでもないのですが、その幸せだった時代の描写もどうも私には合わなくて、ここは感動するところだよねと思いつつも淡々と読み終えてしまいました。
あ、タイトルの犬のさくらはかわいいです。でもいきなりさくらがしゃべったというくだりがどうにも嘘くさくてダメでした。
良かったとの感想が多いので、私の感想が不快でしたら申し訳ないです。ただの趣味の違いということで。
この作者の初めての作品だったので、一つで好き嫌いせず他のも読んでみようと思います。

そして、君のいない九月がくる (メディアワークス文庫)


夏休み前に亡くなった同級生。その同級生と親しかった四人。
そして現れたのは、亡くなった同級生と同じ姿かたちをした者。最後のお願いを聞き届けるため、四人は旅をすることに。
それぞれのキャラはしっかりとしていて悪くないです。各章で同級生とのかかわりを含めて進んでいきます。
最後、そんな展開ありかと思いながら読み終え、もう一度最初に戻って読み直すと、一応伏線としては成立していました。確かに展開は意外、でもちょっと反則っぽい。普通の青春ものかと思ったら、SFだったという。

西の善き魔女〈5〉銀の鳥プラチナの鳥 (中公文庫)


フィリエルに少々飽きていたので、ここにきてアデイルの冒険が読めるとは思わずワクワクしました。
確かにアデイルは皆に守られているのがしっくりとくるお嬢であるけれど、その芯の強さと確固たるわがままさはやはり従わせるべき者を持つ者であり、女王は女王たる資質と人脈を自然と引き寄せるのだと思います。
フィリエルにアデイル、レアンドラにヴィンセントと、女王に繋がる血筋はいくつかあれど、それぞれが何かを見つけていく様子は、この一連の物語の核となる部分で、周りのヒーローよりもよほど潔くたくましいと思います。

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プロフィール

HN:
ソウ
性別:
女性
職業:
看護師
自己紹介:
マイダーリン(ちょっとおバカなだんな)、5歳違いの息子二人(長男坊・次男坊と称す)との4人家族の働く母。
プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。

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