雪月野原日記
2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常
2017年10月の読書話
- 2017/12/20 (Wed)
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お久しぶりです。
11月後半に今年一番の衝撃モードがやってきて、この一ヶ月いろいろ活動停止状態となっておりました。
とりあえずまだ上げていなかった10月の読書話から。
11月後半に今年一番の衝撃モードがやってきて、この一ヶ月いろいろ活動停止状態となっておりました。
とりあえずまだ上げていなかった10月の読書話から。
souの本棚 - 2017年10月 (7作品)
短編集です。
『12時半にあのカフェで』
OLがいつも行くカフェで12時半になると会うサラリーマンが気になりますが、ちょっとしたきっかけで話すようになります。
ところが急に一週間の出張に行かねばならず、お互いどこの会社か、ましてや名前すら名乗ることなく会っていたため、連絡が取れずもやもやと。
電車などでもそうでしょうが、同じ時間に同じように通勤したりランチをしていたりしていれば、名前を名乗ったりするわけでもないのに、顔だけは見知っていたりしますよね。スマホ全盛の時代ですが、そんなすれ違いもあるでしょうね。
『乙女はかくも欲深き』
会社のハラスメント対策室に抜擢された男女二人。表向き、顔は真面目さを崩せず、態度も厳格に。
ただ、内面はとても口に出せない欲の塊で…と。
世の中、言わないだけでそんなことの一つや二つあるものです。
『今日から彼氏になりました』
かっこいい上司に憧れて、ようやく告白したら、あっさりオッケー。
その割に彼氏彼女らしいことは何も起きないまま、翻弄される主人公部下。
何この天然たらしのような悪気のない男。そして実はいつから部下のこと見てた?と爆弾を放って終わった話でした。
『その熱ごと欲しくなる』
古い社屋の空調で、真夏でもうまく調節が効かない部署で凍えるOLに、暑がりの設備担当者。お互い寒がり暑がりを気にするうちにどんどん距離が近づいて。
確かに事務さんはいつも夏でもカーディガン着てます。同じ場所で動かずにいると寒いんでしょうね。私の仕事はずっと動いているので冬でも薄着です。
『約束のきずあと』
幼い頃にふざけてつけてしまった傷跡。女の子につけた傷なだけに幼馴染の男の子はその後も女の子を守り続け、ようやく社会人となりましたが。
よくある傷に責任を、の話でしたが、そこまで責任感持つ男が実際にどれほどいるかと。
この作者の絵も話も私好みです。
人魚の眠る家
東野圭吾
読了日:10月03日
六歳の娘がプールで溺れ、脳死状態になり、家族に迫られるのは、ドナーへの決断。
脳死と心臓死、臓器移植医療整備の遅れなど、この本を読めばその問題点がわかります。
脳死状態のまま生き永らえさせるのは、親のエゴなのか。
正直、自分の子どもだったらと考えると、急な事故だけでも動転するだろうし、ましてやそれで早急に臓器提供の話なんて出されたら、すぐに決断できるかどうかなど自信がないです。
本音を言えば心臓死まで見守りたい。でも、誰かの身体で一部分でも生きていってくれるのなら、とも思うのです。
仕事柄、脳死状態、植物状態と言われる患者さんを見てきたけれど、家族の葛藤は痛いほどわかります。
臓器提供を拒む気持ち、移植を待つ気持ち、どれも正解などないのでしょう。
この作者の作品にしてはサスペンスもミステリーもないけれど、とても印象深い作品でした。
東野圭吾
読了日:10月03日
六歳の娘がプールで溺れ、脳死状態になり、家族に迫られるのは、ドナーへの決断。
脳死と心臓死、臓器移植医療整備の遅れなど、この本を読めばその問題点がわかります。
脳死状態のまま生き永らえさせるのは、親のエゴなのか。
正直、自分の子どもだったらと考えると、急な事故だけでも動転するだろうし、ましてやそれで早急に臓器提供の話なんて出されたら、すぐに決断できるかどうかなど自信がないです。
本音を言えば心臓死まで見守りたい。でも、誰かの身体で一部分でも生きていってくれるのなら、とも思うのです。
仕事柄、脳死状態、植物状態と言われる患者さんを見てきたけれど、家族の葛藤は痛いほどわかります。
臓器提供を拒む気持ち、移植を待つ気持ち、どれも正解などないのでしょう。
この作者の作品にしてはサスペンスもミステリーもないけれど、とても印象深い作品でした。
杉村三郎シリーズの第四弾で短編集。
ハイソな奥様にいつの間に浮気されて、離婚して、とりあえず実家のある田舎に帰ってきた主人公。
ここで探偵業を営むきっかけとなった調査会社の社長と出会います。それが淡々と欲のない仕事ぶりなのですが、いつの間にか事件の解決の糸口となるきっかけをつかみ解決してしまうのです。
調査会社の社長に勧められて東京に戻り、探偵事務所を設立。古家で細々と始めた探偵家業の最中に起こる東日本大震災すらも事件と関わってくるのです。
今回は『聖域』『希望荘』『砂男』『二重身』の四編。
このシリーズは派手さはないけれど、主人公の割とお人好しな感じが良いです。
私はこのシリーズ好きです。
池袋ウエストゲートパークシリーズ11作目。
何となく前作で終わったと思っていました。タカシの恋はどうなったんだと思いつつ(まあ普通に終わったんでしょうね)、さすがのマコトも三十前とは。
脱法ハーブやビットコインを思い起こさせる詐欺やコワーキングスペース、ヘイトスピーチなど、ちょっと前に世間を騒がせたことがいろいろ詰まった一冊。
どこの地域でもタカシのような王様がいればなんとなく地域平和かもしれないのにね。悪いものには悪いものなりの法があると思うのです。王様がいる限り秩序は保たれるけれど、世の中は義理も仁義もどんどんなくなっていく気がしてしまうし、集団も悪いところでばかり発揮されるし、個人主義も悪い方面へと進む気がしてしまうのです。自分も年をとったのかなぁ。
他所の国では大麻は合法かもしれないけれど、やはり日本では違法のままでいい。そんなふうにも思いました。
貧しい姉妹二人がある日訪れた親子の馬に触れ、それをきっかけに生涯乗馬を通して青春を駆け抜けるという壮大なる話。
訪れた親子が実は資産家だったり、貧しい育ちだった姉妹も実は資産家の孫だったりと昔の少女漫画にありがちなときめきストーリーですが、これが今読んだら新鮮で一度読みだしたらやめられない。
資産家の息子との恋もなかなかうまくいきそうでいかず、馬か恋かというくらい乗馬もかけがえのないものになっていくところが面白かったです。
そして、この方の他の作品、『炎のロマンス』と『マリーベル』もお借りしましたが、画像やはりないので簡単に感想を。
『炎のロマンス』はとある島から来た少年が、島の女王として日本人の女の子を連れて帰らなければならないところから始まりますが、その始まりからすでに壮大過ぎて今なら無理だろと突っ込まれそうな話です。しかも代々女王は日本人なので(そのきっかけはちゃんと理由があるのですが)、島の人々は日本語を話すし、女王以外の黒髪の島人は殺されてしまうという掟。しかも医者もおらず、岩と潮の関係で訪れる者もいないという未開の地。
女王として生きるのか、少年と結ばれるのか、実はきょうだいだったのか(それもまた確率の高すぎる世間は狭い話ですが)、ハラハラドキドキのお話でした。
『マリーベル』はフランス革命の頃の話で、フランスの富豪の兄妹がイギリスで行き倒れ、兄はイギリスの富豪の領地に幼い妹を置き去りにして帰国。きっと迎えに来ると言いつつ、事情が事情なのでそのまま何年も生き別れの状態に。
妹は富豪の家でお世話になり、やがてフランスへ渡ります。富豪の息子とも恋仲になりますが、身分違いで翻弄されることに。
フランスでは革命に巻き込まれ、マリーベルを好きになった男たちは次々と命を落とすという、不幸を呼ぶ女ナンバーワンです。
マリーベルは最初はドサ回りの旅芸人一座の一員となり、それがきっかけで舞台女優へと駆け上っていきますが、相手役はもちろんこてこての美人で富豪で役達者。
まるでベルばらにガラかめを足して二で割ったような贅沢な物語です。
今回は丸ごと一冊新しい人工血管に関する捏造問題でした。
題材は違えど、あのSTAP細胞騒動を元にしたような話で、実は完成していない実験にあちこち切り貼りのデータにコピペした論文など、リケジョと持ち上げられ取り上げられた女性が主人公瑞希の幼馴染だったという設定。
実験ノートは盗難にあって再現できないとか、監督する立場の上司からの指示や共著した発案者である海外の恩師の立場を考慮して、院生の幼馴染が苦悩しながら文科省の職員である瑞希と対立。
これはフィクションだと思いつつ、STAP細胞の裏側も実はこんなものだったのかもと思わされました。
婚活パーティなどで知り合った年輩の男たちを次々と貢がせた挙句、殺害した容疑で拘置されている容疑者と主人公である独占インタビューを狙う女性雑誌記者とのやり取りをメインにした話。
食にうるさく、美味しくて食べたいものを我慢しないとする容疑者は、決して容姿端麗でもなく、どちらかというと地味目な太めの体形。
一方雑誌記者はそれまで食にあまり興味がなく、仕事に邁進するどちらかというと長身できれいめな女性。
インタビューをとるために面会を繰り返し、容疑者からの勧めに従ってレストランで食事をしてみたり、料理をしてみたりと少しずつのめり込んでいくのです。
恋人との関係や親友とのやり取り、周りの環境が少しずつ影響を受けていく中、全編を通して表題であるバターのような濃厚で後を引く感じです。
インタビューを取れたものの、容疑者の言うことに振り回されたりします。
女性としての拘束感だとか男性に対する寛容さ、女同士の付き合い方、結婚に対する考え方や不妊治療、子どもを持ってからの働き方、何を幸福とするのか、あれこれなんて面倒なと感じることが本の中でも語られるのですが、どれが正解というものでもないのだろうと思います。
話の中では死亡した被害者が睡眠薬の過剰摂取、風呂場での溺死、電車での飛び込みという事故か自殺か殺人かどうかははっきりと示されずに終わります。
容疑者が好きだというバターについて熱く語るのですが、ほかに出てくる料理なんかも食べてみたくなりました。
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マイダーリン(ちょっとおバカなだんな)、5歳違いの息子二人(長男坊・次男坊と称す)との4人家族の働く母。
プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。
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この記事へのコメント
ちびぞうさま
原作もどんどんキャラが年をとっていくのですが、池袋の王様の後継ぎはいるのかなとどうでもいいことを考えてしまいました。
ちなみに、私の歳はそんなにちびぞうさまと変わらないと思いますよ!えーと、今年ちびぞうさまと三歳違いになるはずですw
コメントありがとうございました。