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雪月野原日記

2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常

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2019年1月の読書話

一月は映画『マスカレード・ホテル』を観に行きました。
私のイメージは木村拓哉ではなかったんですが、作者本人が木村拓哉をイメージというのだからそこはとりあえずスルー。長澤まさみはとてもよかったです。あのいろいろあるホテルの接客話を映画時間に収めるのは大変だったと思いますが、エピソードをほとんど抜かすことなく作った脚本があっぱれだと思いました。そして、私は全く気付いていなかったのですが、まさかあの人があの役を…!と知らなかったので素直に驚いたのでした。いやー上手いよ、あの方。面白かったです。

そうそう、長男坊大学受験のためのセンター試験もありました。
この日以降、地獄のような受験が始まるのでありました。
センター試験はうーん…だったので、国公立を受けるか受けないかでかなり話し合い、結果的にかなり厳しかったので受けるのをやめたのでした。
いやー、おバカなもので、僻地ばかり勧められました。北海道とか九州某県とか、普段の旅行でも行ったことのない場所です。
というわけで私立一本に絞ったのでした。
受験の話は次回へ続く。

続きから、一月に読んだ本の話です。




souの本棚 - 2019年01月 (5作品)
氷室冴子: 没後10年記念特集 私たちが愛した永遠の青春小説作家 (文藝別冊)


氷室冴子が亡くなってから没後十年となり、私自身はおばさんになりましたが、中学生の頃に夢中で読んだ作者の本は今なお色あせずに思い起こされます。何せ卒業アルバムには友人からのいつまでも高彬ファンでいてねというお言葉までもらっているくらいです。
そんな氷室冴子を知る人々からの想いが詰まった別冊本はとても読みごたえがあり、中には氷室冴子のエッセイまでもが再録されているというお得な本でありました。
多分少女小説というジャンルを知った最初の作者であり、多分ほぼすべての著作を読みつくして、何故続きが出ないまま亡くなってしまったのかと嘆いた作者の一人でありました。

かがみの孤城
かがみの孤城
辻村深月
読了日:01月12日


学校に行けない中学一年生の女の子がある日部屋の鏡から別の世界へと行くことができるようになってからの一年間の話。
一つだけ願いを叶えてくれるという条件を満たすための鍵探し。他にも学校に行けない子たちが集められていて全部で七人。期限の日までに鍵は見つけられるのか。

それぞれ学校へ行けない事情は様々で、目次を見た時は一年間ずっと行けないのかとちょっと戸惑いましたが、読み始めるともう六月、もう夏休み、もう冬休みが…となんと一年の短いこと。
この子たちは大丈夫なのかと思いながら読み進めると、とある事実に愕然とします。ようやく打ち解けた七人が外で一堂に会することは不可能なのかもしれないということに。
こころの担任はよくいそうなタイプですが、表面上の価値観でしか物事を測れない。その価値観を無意識に自分の正義感でもって推し進める迷惑なタイプ。多分話してもわかり合えないのだろうと思います。
たかが学校。狭い世界の中で息苦しさにもがいても、学生生活はいつか終わる。私もこれを励みにしていた時期がありました。今思い出しても、どうしても親には言えなかった苦い思い出です。
今苦しんでいる子どもたちが、狭い世界の中でがんじがらめになって溺れてしまうことのないようにと願っています。

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)


初っ端から独居老人が殺され、その容疑者にその家で犬の散歩アルバイトを担っていた大学生が疑われます。しかし、その大学生には殺害当日のアリバイが。
無実を晴らすため、警察に追われながらもアリバイを証明してくれる名も知らぬ女性を捜して広大なスキー場へ。

一緒に行動してくれたのが法学部の学生で、その学生がいなかったら確実に警察に捕まっておしまい、だった気がします。
警察を連れまわす女将がなかなかいい味出していたし、大学生に協力してくれたスキー場のスタッフがいて良かったね、という感じ。あ、でも根津さんが今作で進展ありました。
警察が融通きかないのは承知ですが、ここまで他の可能性全く考えないものかなど都合のよいことも若干ありましたが、面白く読めました。

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)


前作から速攻で結婚したらしい五浦と栞子さん。
既に女児も生まれ、栞子さんにそっくりな扉子、六歳。
六歳にして本好きで店にある古書にも手を伸ばす母譲りの賢いお子さま。
まずは栞子さんに似て良かったね、と。

坂口昌志の家族の話が一話目、死んでしまった息子の思い出の本探しが二話目、志田を巡る小菅奈緒と高校生男子の話が三話目、因縁の吉原喜市の息子との話が四話目。
やはり因縁話の四話目が印象に残りました。

マスカレード・ナイト


今回『マスカレード・ホテル』の事件から数年後、という十二月末、殺人事件の犯人を知っているらしい者から、ホテルコルテシア東京で殺人が行われるかもしれないとの密告が入り、再び新田たち警視庁から犯人逮捕のための潜入捜査することに。

ちょうど映画『マスカレード・ホテル』が公開で観に行ってきたところでした。ですが、新田は、悪くはないけれど、やはり木村拓哉では少々物足りない、といったところでしょうか。長澤まさみはいい具合に年を重ね、概ねイメージとしては成功かなという印象でした。そして演出とはいえ、立ち姿がどの場面でも常にピシッとホテルウーマン然としていて、感心しました。

そんなホテルでの二度目の事件は、実行犯と計画した者、囮役の者、無関係なりに怪しい者と最後まで飽きさせない話でした。まさにマスカレードの名にふさわしい話だと思います。
無理難題を吹っ掛けるお客様に対応し、解決していくコンシェルジュは素晴らしく、使ったことがないのでこれこそ一流ホテルなのだろうと想像するのみです。小説とはいえ、そのアイデアを考える作者はやはりすごいなと思います。

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プロフィール

HN:
ソウ
性別:
女性
職業:
看護師
自己紹介:
マイダーリン(ちょっとおバカなだんな)、5歳違いの息子二人(長男坊・次男坊と称す)との4人家族の働く母。
プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。

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