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雪月野原日記

2008.06.04設置 おバカ家族の脱力な日常

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2019年5月の読書話

空いた時間に撮りっぱなしのドラマを見たりするのですが、池井戸さん原作の下町ロケットシリーズゴーストとヤタガラスは、かなり原作に近いので先がわかるからちょっと安心。知らない方が面白いのかもしれないけれど、私、善良な人が陥れられたりする話が結構苦手で、その先は救われるんだろうかとつい本でも後ろをちらり読みしてしまうチキンハート(自称)。なので、どんでん返しがあるだろうと思うと、ぎりぎりと歯を食いしばってこいつ~と思う展開にも心を落ち着けて飛ばさずに見ることができるのです。
帝国重工のキャラバンが台風の迫る中、被害の出そうな地域に駆けつけ、台風の中では無理な作業を無人で行えるシーンが涙が出そうなほど良かったです。こんなふうに被害が少なくなる未来が待っているのならばいいな、と。もの作りの会社が従来の農耕を支えるというのも現代らしくていいなと思います。
あと楽しみなのは、『あなたの番です』。どんだけ殺されるの、こんなマンションいやだと思いつつ、その謎な展開を楽しみに見ております。
結構他の人が見ないかもしれないドラマをまとめて見ると、あまりな脚本もありますが、それはそれで楽しめるのです。見て納得したら心置きなく消去できるしね。原作本があったりするといつか読んでみようと思えるし。

続きからは5月に読んだ本の適当な感想です。
先月からいつもお借りしている本の画像含めてまとめ機能がブクログさんでなくなってしまい、大変不便です。
似たような機能出してくれないかな~。






妖雲の舞曲―デルフィニア戦記〈11〉 (C・NOVELSファンタジア) 著者 : 茅田砂胡 制作 : 沖 麻実也 中央公論社 (1996年11月25日発売)
デルフィニア戦記十一冊目。
初っ端からこれでもかという国王夫妻の夫婦喧嘩。部屋中壊して殺すか殺されるかという激しさに、騎士団長まで出張る始末。皆の心配をよそに、夫婦は相殺する前に何とか事を治めるのでした。
敗戦国の戦後処理とロザモンドの妊娠に親戚問題、国王の愛妾問題と一時的とはいえ少し平和な一冊。もちろん殺し屋はまたもやリィに狙いをつけ、敗戦国と言えどこのままでは終われない状態。つかの間の平和という感じでしょう。
今まで三国だけで進んでいた話に、この先は周辺諸国を巻き込んでの戦乱になるらしい。

ファロットの誘惑―デルフィニア戦記〈12〉 (C・NOVELSファンタジア) 著者 : 茅田砂胡 制作 : 沖 麻実也 中央公論社 (1997年3月1日発売)
デルフィニア戦記十二冊目。
国王の愛妾問題から一気に離婚騒動に。とは言っても、リィの場合は子を産めない自分よりも愛妾を代わりに正妃にしろという無茶無謀。またもや友人総出でリィを止める羽目に。
ようやくそれも片付いて、今度はロザモンドの親戚判定に。まさかタウの頭目ジルがロザモンドの従兄でイヴンがジルの息子で…?どんだけ世間は狭いんだと。
デルフィニアでそんなことをのん気にやっているうちに、世界はデルフィニアを倒さんと画策中。リィにはこれでもかと仕掛けられる殺し屋からの攻撃にさすがに疲弊気味。
三国を中心に諸国との戦いは次巻からか。

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 著者 : 宮部みゆき KADOKAWA (2018年4月27日発売)
三島屋の百物語シリーズの五冊目。
一話目の「開けずの間」はかなり長い話ですが、一番ぞっとした話。
七人兄弟姉妹と両親で暮らしていた金物屋に、ある日長姉が嫁ぎ先でいびりられて子どもを置いて出戻ってくる羽目になったことから、子ども会いたさに何か良くないものに願掛けをして家に引き入れたのが始まりというこの話。次々にその何か良くないものに願掛けをしてしまうのですが、その見返りが人の命だったりするので、次々と金物屋一家に不幸が訪れます。何をしても祓われないその何か。しかもその不幸力の強いこと。驚きの結末でした。
二話目は「だんまり姫」で、物の怪を呼んでしまうという声の持ち主の話。どんな声だろうかとあれこれ考えてみましたが、普通に話すこともできないその声の威力はさすがに想像外でした。ハスキー声なのか、だみ声なのか。
三話目は「面の家」で、こちらも家に面という名の何か御封じ込めている家の話。それを見たり聞いたりすることができるのは、嘘つきだったり過去に犯罪を犯していたりしていた者のみ。恥ずかしながら嘘ならつきまくった私にもきっと聞こえるんだろうなとか思ってしまいました。
四話目は「あやかし草子」で、これまた驚きの展開でした。貸本屋にまつわる話でしたが、結局どうなの?知ってしまったの?どこまで?という疑問は解消されず。
五話目は三島屋兄弟の話で「金目の猫」。急におちかが嫁に行くことになったので、その役目を三島屋次男に譲るらしい。ということはまだ続くのか。
おちかさん、お幸せに。

この世の春 上 著者 : 宮部みゆき 新潮社 (2017年8月31日発売)
江戸は六代将軍の頃、北陸のとある藩で藩主ご乱心により、主君押込が為された。
一方その藩の片田舎で隠居生活を送っていた父娘のもとに、幼き子を連れて逃げてきた乳母がやってきます。その出来事を皮切りに、出戻り娘である多紀は乱心となった元藩主を巡る重大な秘め事に関わることになるのです。
上巻は元藩主が乱心となるきっかけを作ったのが、大殿とその側女で、そして、その乱心がどうやら解離性同一性障害ではないかとわかります。
しかも大殿の突然の死は、実は乱心の末、元藩主である息子が殺害したという藩を揺るがすようなことも。
表向き、藩主交代は速やかに行われ、幽閉された元藩主はこのままゆるゆると過ごすはずでしたが、心の闇を解き明かそうと周囲の人々が元藩主のために動き始めるのでした。

この世の春 下 著者 : 宮部みゆき 新潮社 (2017年8月31日発売)
下巻は元藩主が療養という名の座敷牢で過ごす日々の中で、何故解離性人格障害になったのか、徐々に謎が解き明かされていきます。実の父親からの虐待があり、しかもその虐待自体は側女としていた忍びの者による操りという名の復讐だったことが判明します。
どちらにしても父を殺し、側女を殺し、奥女中を殺し、側女の父も殺してしまったのは事実。仕方がなかったとはいえ、後始末が大変だったことでしょう。
御霊繰を行う一族の住んでいた村の殲滅事件や城下での男子失踪事件など、最後はきれいにはまって終わったのには、さすがです。しかも現代物ではなく、時代物で解離性人格障害を軸とした話にするとは、なかなかない試みだったと思います。ただ、途中から謎解きの部分が少々長いなと感じたのは何故だろうと考えたのですが、多分その大元となる忍びの親子が先に死んでしまったことにより、そこまで急いで解明する必要がないのではないかという思いがあったからかなと思います。あの親子が原因だったのなら、もう元藩主が治ったも同然という未来が透けて見えてしまったからではないかと個人的には思っております。もう少しサスペンス的な部分を残しておいてくれたなら、最後までドキドキして楽しめたのかも、と。

風と行く者 (偕成社ワンダーランド) 著者 : 上橋菜穂子 制作 : 佐竹美保 偕成社 (2018年11月19日発売)
守り人シリーズの外伝です。本編の後の物語。
バルサとロタの楽人一行の旅。その合間に思い出されるかつての楽人一行とジグロとバルサ十六歳の旅路の話。
楽人はロタの中でも氏族が違う者たちの間で生まれた者が多く、その中でも特別な楽器を奏でられる者は頭として一行を率いていく。
当時の楽人たちを護衛した時からすでに二十年。
ジグロもおらず、楽人の頭も娘の代へと変わったにも関わらず、狙われるのは二十年前と同じ頭。護衛するバルサもロタの氏族間での思惑にいつの間にか巻き込まれていくのでした。
なんというか、バルサとジグロの話はやけに切ない。互いを思う心とか、血がつながっていないからこその絆の在り方、追われている立場上のことなど、十六歳では見えぬことも、年月を経て見えることもあるのだということ。年若い頭との話やタンダとの話で、それまでの生き方は辛いこともあったかもしれないけれど、今のバルサを作った大事な要素なのだということが身に染みる。

下町ロケット ヤタガラス 著者 : 池井戸潤 小学館 (2018年9月28日発売)
前作ゴーストでは、取引先会社の手酷い裏切りに遭い、またもや先の見えない佃製作所でしたが、同じく会社を辞めてきた天才エンジニアを迎え、まだ納品先がないにもかかわらずエンジンとトランスミッションの開発に勤しみます。
しかし、ここはやはり池井戸さん。ここから先は清々しいまでの逆転劇へ。
やがて帝国重工が開発を進めた農業用耕作機が自社開発では追いつけずにいよいよ満を持して佃製作所製のトランスミッションを乗せることに。
一方ライバルとなる下町中小企業連合とでも言うべき農機器も市場に一足早く出回り、遅れた帝国重工製は苦戦。とはいえ、性能はいいはずだと胸を張って自分たちの作ったものを信じる佃製作所の面々は、本当に社長以下いい人だらけ。真摯に前向きに、ものを作るその姿勢は、あの社長がいる限り続いていくのだろうと思わせます。
日本の農業の未来を救いたい、というその信念が徐々に報われていく物語は、やはり読んでいて胸が熱くなるのでした。

鴨ぱりぱり 料理人季蔵捕物控 (時代小説文庫) 著者 : 和田はつ子 角川春樹事務所 (2018年12月13日発売)
今回は最後まで真の犯人は誰か、がわからなくて、しかもその結果が切なかったです。
ネタバレを言えば、季蔵ももみ合って負傷、田端同心もかなりの深手を負い、奉行鳥谷も今までにない慎重さというシリーズ中でも珍しいくらいの大物相手となりました。
そんな中でも瑠璃とのひととき、三吉との料理の場面は少しほっとします。瑠璃も少し良くなるとまた寝込むという一進一退が続きますが、心の病や病弱というものは、薬の限られている江戸の時代にはそうしたものかもしれません。

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プロフィール

HN:
ソウ
性別:
女性
職業:
看護師
自己紹介:
マイダーリン(ちょっとおバカなだんな)、5歳違いの息子二人(長男坊・次男坊と称す)との4人家族の働く母。
プライベートと仕事のときの人格評価が真っ二つ。
チビでメガネ。

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